================================================= 愛媛大学 防災情報研究センター         防災情報研究センターニュース                 第11号    2007.7.24 ================================================= 今回のコンテンツ <報告>新潟県中越沖地震緊急調査報告−速報− <報告>四国防災トップセミナーが開催されました。                       (主催:四国地方整備局)   ○新潟県中越沖地震被害調査緊急報告−速報−  7月20日〜22日で、矢田部、榊原、鳥居の3人が柏崎市を 中心に現地調査を実施してきました。  20日は柏崎市市街地の家屋被害を中心に調査、21日は斜面 崩壊を中心に調査、22日は周辺部の被害状況を調査してきました。  以下、調査を通じて感じたことを簡単に報告します。 1.被害は柏崎の中心部に集中。平野部の災害。 2.液状化により50cm程度沈下している箇所もある。 3.幹線道路は概ね通行可。柏崎−長岡を結ぶ国道8号が通行止め のため、高速が無料開放。橋梁、ボックスカルバート前後の段差。 4.物資輸送が確保され、コンビニがおにぎり、サンドイッチを供給。 5.自衛隊の大量投入による給水活動。 6.耐震性の低い木造家屋の倒壊。 7.風化法面の崩壊。 貴重な写真、ビデオを撮影してきました。7月31日の報告会で ご披露しますので、是非報告会にご参加ください。報告会の詳細は、 メルマガ10号をご覧ください。 (文責:鳥居) ○四国防災トップセミナーが開催されました。(主催:四国地方整備局)  7月23日に国土交通省四国地方整備局の主催、四国4県の共催で、 四国の防災機関と四国の市町村長が参加して、「大規模地震・津波対策 −発災後の応急復旧を考える−」と題して四国防災トップセミナーが開催 されました。  北橋整備局長、眞鍋香川県知事の挨拶に続き、群馬大学教授 片田敏孝先生から「東南海・南海地震に備える−住民と築く災害に強い 地域社会−」と題して基調講演がありました。  片田先生は、住民の避難行動を分析した結果、住民は避難しなければ ならないことは知っている。しかし、実際の避難行動に結びついていない。 いくら避難の重要性を訴えても、避難率の向上には限界がある。誰かが 避難を開始したり、避難を呼びかければ、家で「おろおろ」していた住民は 避難を始める。避難のきっかけを作る「率先避難者」を指名しておくことの 提案がありました。  また、現在、自然災害に対峙しているのは行政で、住民は自分の命も 行政に頼り切っている。これからは、地域社会が自然災害に対峙しなけれ ばならない。  「備え有れば患いなし」が有名だが、「安きに居して危うきを思う、 思えばすなわち備えあり、備えあれば患いなし」となっている。最初の 「安きに居して危うきを思う」が重要であると指摘されていました。  その後、防災機関から発災後の対応について説明があり、意見交換に 移りました。この中で、市町村長から津波時の漂流物対策、津波警報発 令中の水門の操作、孤立集落、被害の全体像の把握、トリアージ・医療 の体制確保、ライフラインの復旧、避難しない住民、個人情報保護等につ いて、意見交換が行われました。  この中で片田先生は「津波てんでんこ」を紹介され、一般にはこの伝承 は津波の時には一家全滅を回避するため、家族といえども一目散に逃げ ろという非情な伝承といわれている。しかし、実際には子供が逃げ遅れて いることが心配な母親は子供を捜しに家に戻る。自分の子供が逃げている と信じられる状況を普段から築いておくことが重要であると指摘されていま した。 (文責:鳥居) 「防災情報研究センターニュース」に関するご意見、ご要望、投稿、 メール配信の停止などがありましたら、以下メールアドレスまで ご連絡ください。 ■連絡先■  愛媛大学 防災情報研究センター メルマガ事務局           メールアドレス:dm-info@dmi.ehime-u.ac.jp