================================================= 愛媛大学 防災情報研究センター         防災情報研究センターニュース                 第8号 ================================================= 今回のコンテンツ <報告>企業防災の実態・意識アンケート結果 ○企業防災の実態・意識アンケート結果 去る6月26日に開催された「中小企業経営者のためのBCP セミナー」において参加者を対象にアンケートを実施しました。 アンケートにご協力いただきました皆様ありがとうございました。 アンケートの集計結果(第1次)をお知らせします。 概要 リスク認識のトップは、地震。 課題はリスク情報の提供、従業員の防災意識 問1 あなたの会社はBCPを策定していますか。 策定して運用している  7% 策定する予定である   28% 聞いたことがあるが、策定する予定はない   20% 初めて聞いた     45% セミナー参加者を対象にしたアンケートなので、基本的にBCPに 興味がある人の回答である。(以下、同様) 本セミナーに参加者のうち、BCPを初めて聞いた人が45%であり、 BCPへの潜在的関心が高いことをうかがわせる。 問2 会社のリスクとして何が重要だとお考えですか。 (上位) 地震  53 火災  30 洪水  20 渇水  10 津波   6  地震・火災は地域を問わずリスクとして認識されるので多くなって いると思われる。地震・火災でBCPをリードしていくことが効果的 である。洪水・渇水・津波・高潮・土砂害などは地域差があるため、 地域の特性にあった対応が必要である。 問3 あなたの会社は防災対策として何をしていますか (上位) 防災計画書・マニュアルの作成   35 定期的な防災訓練    29 情報システムのバックアップ  26 安否確認・通信手段の確保  21 従業員への防災講習会・研修会の実施  16 施設の耐震化・風水対策  15 水・食料の備蓄   15 多くの企業がなんらかの防災対策を講じている。意外であったのは、 地震をリスクとして認識されている割には、施設の転倒防止対策を あげた企業が少なかったことである。   問4 企業防災で重視すべき点は何ですか (上位) 従業員の安全  41 企業資産の被害軽減  29 顧客への影響軽減  29 顧客の安全  17 地域コミュニティへの貢献 13 雇用への影響軽減  13 従業員の安全、企業資産の被害軽減、顧客の安全は、従来の防災 計画の範疇である。 一方、顧客への影響軽減、地域コミュニティーへの貢献、雇用への 影響軽減などBCPが重要な視点が上位に位置づけれており企業の 社会的な責任を意識する企業が増えていることを示している。 問5 防災対策上の課題は何ですか。 従業員の防災意識   29 知識・能力不足  17 人的な余裕がない  15 経済的な余裕がない 10 時間的な余裕がない  9 防災計画・マニュアルの作成や定期的な防災訓練、防災講習会・ 研修会を取り組んでいるが、なかなか従業員の防災意識の向上 に結びついていないようである。今後、防災教育の充実が不可欠 である。 問6  BCPを策定する上で行政等に期待する取り組みは何ですか (上位) リスク情報の提供  30 河川・道路・港湾の安全  23 災害情報の提供  22 講習会・研修会の開催  17 飲料水・食料の備蓄  15 ソフト面での補助  13 リスク情報の提供が最も多い。自然リスクを各企業で検討することは、 費用的に負担が大きく、非効率である。企業がリスクアセスメントを行 う上で必要なリスク情報については、基礎情報として行政機関からの 情報提供が望まれる。ちなみに、徳島県では液状化マップをマニュア ルに掲載している。また、多くのリスク情報が公開されており、ポータル サイト化が有効であると考えられる。 また、講習会・研修会の開催を希望する企業も多く、ニーズに即した 講習会の企画・開催が必要であ。 (以上、文責:鳥居)     「防災情報研究センターニュース」に関するご意見、ご要望、投稿、 メール配信の停止などがありましたら、以下メールアドレスまで ご連絡ください。 ■連絡先■  愛媛大学 防災情報研究センター メルマガ事務局           メールアドレス:dm-info@dmi.ehime-u.ac.jp